2015年4月9日木曜日

Donald Fagen / I.G.Y. (International Geophysical Year) (1982)


   ある曲のあるフレーズを拝借して曲を作っている、
   いわゆるサンプリング曲を御紹介するコーナー。

   今日ご紹介した曲はこちら。

   

IGYはこの曲がリリースされた25年前の1957年から1958年の科学プロジェクト  「International Geophysical Year国際地球観測年のことを歌ったナンバーです。

当時1957年、ソヴィエト連邦が世界初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げ、
それを追いかけるようにして(実際には対抗してですが)、
翌年アメリカがエクスプローラー一号を打ち上げました。

ここには政治的な理由も意味合いがあったわけですけれども、
その時期、この人工衛星打ち上げ成功により、大きな科学的な進歩を遂げた時代、
未来の希望に満ち溢れていました。この希望に満ち溢れた時代に対して、
25年後Donald Fagenは、
ニューヨークからパリまで90分でいけるようになるなんて
   なんて美しい世界になるんだろう」と皮肉込めて歌っているんです。



この曲をサンプリングしたナンバーはこちら
    Take 6 Beautiful World (2002)
    

   オリジナルの歌詞とちがってゴスペル色の強い歌詞になっています。

 あたりを見回すと 心を痛めていたり 災害があったり
   不幸なことがあったり
 これからどうなっていくんだろう
 この状況はいつまで続くんだろう
 僕らは何を信じるべきか考えなくちゃいけない
 僕は神様を信じることにした

 The endは終わりじゃなくて休止符なんだ
 君は 自分がずっと幸せでいられるって想像できるかい?
 太陽の光に包まれて
 さよならを言うこともなくて
 傷つくことも 痛みを感じることも 悲しくなることもない
 涙も 人を嫌いになることもない
 僕は待てない 美しい世界になることを

 未来はなんて美しい世界なんだろう

 自由になれるなんて なんて素晴らしんだろう