2015年12月3日木曜日

Phil Collins / Separate Lives (1985)


歌詞から生まれたショートストーリー

今日はこのナンバーから生まれた物語




別れた妻から電話がかかってきた
出張で近くまで来ているらしい
「今 ホテルにいるんだけど 
せっかくだからこれから飲まない?」

少しだけ胸がときめいた
僕らは待ち合わせの約束をして 一緒にワインを飲んだ

ほろ酔いで気持ち良くなった頃 彼女はこんなことを言った
「あんなにすぐに離婚するなんて思わなかったわ
今でもたまに一人になるとあなたのことを思い出すのよ
一人って寂しいわよね。あなたもそうでしょ?」

俺を誘っているのか?
それとも〝たまに一人になる″ということは、いつもは一人じゃないのだろうか

さりげなく尋ねてみると
「そうね。いま同棲してる彼がいるから。それにしても一人は寂しいわ
 あなたも早くいい人見つけなくちゃね」

僕は恥ずかしかった 少しでも期待した自分を怒鳴りつけてやりたかった
離婚したんだから 彼女は僕のものじゃない
そんなの分かり切っていたことなのに
また あの瞳に見とれてしまった

でも もうこれが最後だ
彼女とは別々の人生を歩まなくちゃいけない
僕らは 別々の人生を歩まなくちゃいけないんだ