2015年6月18日木曜日

The Cowsills / The Rain, The Park and Other Things (1967)


歌詞から生まれたショートストーリー
今日はこのナンバーから生まれた物語




女性が雨の中 公園のベンチに座っていた
黄色のワンピースが濡れている
束ねた髪の先から しずくが滴っている

僕が心配そうに見つめていると
彼女がふと顔を上げた
つい目をそらしたが 視線を感じて
もう一度 彼女を見ると
恥ずかしそうな顔をして
僕に微笑みかけていた

その時 分かったんだ
彼女は僕を幸せにできる人だって

彼女の周りには沢山の花が咲いていて
彼女が歩けば 行く先々で花がぱっと咲いて
Flower Girlとでも言うのだろうか
幸せを運んでくれる女性だって思った

何故 あの時 彼女が僕に微笑んでくれたのかは分からない
でも あの一瞬で 
彼女がとっても優しくて かわいらしい女性だって分かった
彼女のことを忘れられなくなった

あの時 「こんにちは」って声を掛ければよかった
微笑んでくれた時に 彼女の手を取って
相合傘をして 公園から連れ出してあげればよかった

彼女なら絶対僕のことを幸せにできる

もう一度 公園に行ってみる
どのベンチにも彼女はいなかった

放心状態の僕に子供が声を掛けてきた
「お兄さん 雨やんでるよ」 
傘を閉じて 空を見上げると 雲間から太陽が見えてきた


彼女は本当に存在したのだろうか?それとも幻だったんだろうか?