2015年4月2日木曜日

Charlene /I've Never Been to Me (1977)




娘が久々に帰省してきた
腕によりをかけて テーブルに乗り切らないくらいの
ごちそうを作った
彼女が昔から好きなお手製ハンバーグ から揚げ 
地元のお魚の刺身 2つ日間かけて作ったスープ
家族水入らずの幸せな時間
夫はあっという間に酔っ払い寝てしまった

娘と向かい合ってお酌をし合う
すると 真剣なまなざしで彼女は言った
「お母さん 幸せってなんだろうね」
私は こんな話をした

私もあなたと同じように幸せを探して旅をしたことがあるの
ジョージア、カリフォルニア、ニース、ギリシャ・・・。
ヨットに乗って シャンパン飲んで 
いい人と出会って恋をしたこともあったの
でもね 幸せだって思えなかったわ
結局 自分自身がつかめなかったの

行きたいところに行って 
シャンパンをいつも用意してくれる恋人と出会って
本当に自由だった
はたからみたら 贅沢で 幸せだったと思う
でも 自分はちっともそう感じられなかった

幸せってなんだろうって考えて
それは 存在しないものなんじゃないかって思うようになった
幸せなんて嘘だって 人間が作り上げた幻想だって
じゃぁ 幻想じゃないもの 目の前にあるものって何?って考えたらね

あなたのお父さんの顔が浮かんだの
いいことばかりじゃない 喧嘩もしたり
思い通りにいかないこともある
でも あなたが生まれて こうやって一緒にお酒も飲めて
これが私の目の前にあるもの
この目の前にあるものを受け入れていこうって思えるようになったの

話し終えると 娘の目にはいっぱいの涙
きっと 彼女もうまくいかないことをいっぱいかかえているんだろう
自分自身を 自分として受け入れること
それが伝わってくれるといいな と思いながら

彼女の手を握った