2015年6月18日木曜日

Sade / Like a tattoo ~ Pearls (1992)



毎月1アーティストをピックアップし、1か月かけて
そのアーティストの歌詞を掘り下げてみようというMonthly Lyricsのコーナー。

今月は“愛”の伝道師Sadeをピックアップしていますが、
今日は、愛の伝道師にもこんな一面があるんだよ、ということで
社会的なメッセージを持った2曲をご紹介しました。

まず1曲目は1992年リリースのアルバム「Love Deluxe」からの1曲。
ニューヨークのバーで出会ったベトナム帰還兵(ベトナム戦争から帰還したアメリカ兵)が話したことがもとになっている曲だそうです。

あの日のことが消せないタトゥーのように残っていると歌っています。

彼は私に 真実と重荷を背負いながら語ってくれた
そして 彼はその苦しみによって壊された夢について話した
若いときの苦しみによって壊されたもの
彼は 14年間 太陽を見ることができなかったそうだ
彼が銃口の先に横たわっているのを見た人もいる

生きたいと強く願い
遠くの川を渇望する
年齢を刻む傷のように
私の顔にも皺が残っている
戦争は今でも私の中で猛威を振るっている
自分のしてきたことを恥ずかしく思い
今も寒気がする
私は その苦しみをタトゥーのように背負っている
私は その重荷をタトゥーのように背負っている

私には あの日のことが消せないタトゥーのように残っている

2曲目も1992年リリースのアルバム「Love Deluxe」から
ソマリアの女性のことを歌った"Pearls"お届けしました

ソマリアに一人の女性がいる
太陽は容赦なく彼女に照り付ける
私たちと同じ空の下で
太陽は彼女の骨まで焼けつくす
彼女が家に着くまで
午後の影のように 長い長い道のりだ
可愛い娘のために
一粒一粒 真珠を丁寧に包む

ハレルヤ
ハレルヤ

彼女は天を見上げて泣く
私の心には石がある
彼女は 自分で選んでこの世界に生きているんじゃない
真新しい靴のように心が痛む
真新しい靴のように心が痛む


現在、ソマリアはイスラム過激派組織の拠点となっていて
そのせいで、アメリカ軍から空爆を受けたりしています。
その地域に住んでいる人々の生活が逼迫していることは間違いありません。

この曲は、1992年にリリースされていますが、
Sadeはこの曲を通して
「他の国のことに対して無知でいるな」
というメッセージを投げかけているのではないかと思います。